稀代の写真家・篠山紀信氏が1月4日に83年の生涯を閉じた。
写真に携わっていない人でも知っているビッグネーム、伝説は幾多に渡る。
私が初めてその名前を知ったのは宮沢りえのヌード写真集『Santa Fe』。当時中学生だった私たちは当時絶大な人気を誇る、宮沢りえのヌード写真集を同級生の呼びかけでお金を出しあって購入した。初めは好奇の眼差しでページをひらくも、圧倒的な存在感、美しさ、清々しさに「ちょっと後ろめたいもの」「恥ずかしいもの」というヌードの概念が崩れ「憧れ」の気持ちさえ感じていたような気がする。
写真集はその後図書室に寄贈したので、在校生の目にも長く触れたことだろう。
それから時はすぎ、仕事で写真に携わっていた頃、プレイボーイ特別編集の篠山紀信写真集「オレレ・オララ カーニバル 灼熱の人間辞典」をみた。
熱量が伝わる、全身全霊で表現している写真に、言葉にできない感動を味わった。衝撃だった。篠山さんの写真はグラビアや広告でよく目にしていたが、本当はこんな写真を撮る方だったのかと圧倒された。その後、たくさんの方を通して篠山さんのお話しを聞いた。とても愛されている人だった。
お会いしたことはないけれど、いつかお会いしたい人だった。
もうお会いすることは叶わないけれど、これからも写真集を開いて、その時は思い馳せようと思う。オレレ・オララの最後のページ「篠山紀信。30歳。極めて健康!!」を眺めながら。
合掌。
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